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レーヴェは勿論、執行者の他の面々もレンのことは気にかけていたと信じています。
幼いのに、自分たち以上の深い闇をかかえている少女。
ですが、それぞれ自分の闇をごまかしたり砕いたり飲み込んだり振り払ったりするのに忙しかったでしょう。
本当はなんとか救ってやりたいが、闇をかかえる自分たちにはその術が無い。
考える余裕がない。いい考えが浮かばない。
あるいは、闇をまとって生きるのが却ってレンのためには良いのだと考えたかも知れない。
そうした微妙な執行者たちの思いの中で、レン本人はわりと自由にのびのびとしていた。
周囲の大人たちから認められる喜び、皆が自分を対等に扱ってくれる喜びを感じていたのでしょう。
だから結社を大切な自分の家だと考えていた。だから結社を否定する人は嫌いだった。
だが本当の「家」というもの、幸せというものはどんなものか、「今の」レンには分かってきている。
または、これから少しずつ分かっていくのでしょう。
2012 8 13 オーバル魔ペットJoya